カルラディア帝國憲法
カルラディア帝國憲法
我は、カルラディア帝国臣民の信託を受け、国家の隆昌と臣民の慶福を希求し、過去の奮闘を称え、また現在及び将来の臣民に対し、希望ある未来の実現を誓い、ここに不磨の大典を宣布する。
帝国総統ロドルフ=クルーク
カルラン暦元年 三月一日 公布
前文
我等帝國臣民は、多くの尊き犠牲を払いし独立闘争の末、我等自身の意志で行動する主権を獲得し、このヴィルディアの地にて偉大なる文明を興さんと決意した。もはや従来の国家は旧時代の遺物となり、我等は未来の為に大いなる飛躍を遂げねばならぬ。新たなる地にて共に手を携え、新たなる歴史を共に築き、総統閣下の領導の下、願はくば誇りある希望の未来を歩まんと欲し、ここに新時代に相応しい国家の姿を示す為、総統の名においてこの憲法を制定する。
第一章 元首総統
第一条 カルラディア帝国総統は、帝国の元首であり、国家と国民統合の象徴である。この地位は、我が国建国以来の定めであり、何人も侵すことができない。
第二条 カルラディア帝国総統は、帝国臣民の総意により、帝国統治の執行及び立法の権を総攬し、この憲法の条規に依り、帝国の安寧秩序と発展、臣民の幸福の為これを行使する責務を負う。
第三条 総統は、総統府または帝国軍総司令部の助言と承認に基づき、次の国事に関する行為を行う。
第一項 憲法改正、法律、政令、勅令及び条約の公布
第二項 衆議院議員選挙の施行の公示
第三項 参議院議員選任手続の実行の公示
第四項 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証
第五項 批准書及び法律の定めるその他の外交文書の認証
第六項 外国の大使及び公使の接受
第七項 栄典の授与
第八項 儀式の実施
第九項 宣戦の布告
第二章 執行権
第四条 国家の執行権は、総統に属する。
第五条 総統は、副総統、内務卿その他の国務大臣を選任または罷免する。
第六条 総統は、人事院の助言に基づき、帝国軍総司令部、技術開発局、総統親衛隊中央司令部及び総統府の役員級の人員を選任または罷免する。
第七条 総統は、国家安全保障会議を招集し開催する。
第八条 総統は、統合軍令部の総長を兼ね、軍の統帥権を総攬する。
第九条 総統は、次の事柄に関して勅令を発出する。
第一項 国家機関の設置または廃止
第二項 帝国議会の招集及び解散
第三項 国家緊急事態において緊急に必要な指示
第四項 麾下の組織に対する緊急かつ重大な命令
第五項 地方公共団体の長の選任または罷免
第十条 総統府は、総統の下に設置され、帝国の内政を管轄し、内務卿を長として麾下の各省庁が所管の業務を行う。
第十一条 総統府及び各省庁の職務及び内部の組織は、法律でこれを定める。
第十二条 帝国軍総司令部は、総統の下に直接設置され、帝国の外交安全保障に係る政策を指揮する。
第十三条 帝国軍総司令部の職務及び内部の組織は、法律でこれを定める。
第十四条 技術開発局は、総統の下に直接設置され、軍事に関わる技術や装備の開発を主導する。
第十五条 技術開発局の職務及び内部の組織は、法律でこれを定める。
第十六条 総統親衛隊中央司令部は、総統の下に直接設置され、総統の護衛を行う。
第十七条 総統親衛隊中央司令部の職務及び内部の組織は、法律でこれを定める。
第十八条 人事院は、総統の下に直接設置され、総統府、帝国軍総司令部、技術開発局、総統親衛隊中央司令部及び帝国議会参議院の人事を司り、総統にこれを助言する。
第十九条 国家安全保障会議は、総統の招集で開催され、国家の外交安全保障及び治安維持に係る事案について、所管外の国務大臣を交えての会議が行われる。
第二十条 国家安全保障会議の運用は、法律でこれを定める。
第二一条 総統は、その職務を内務卿に委任することができる。
第二二条 総統が、その職務を内務卿に委任する際、内務卿が代行できる職務は次に示す事項に限る。
第一項 法律、政令、勅令及び条約の公布
第二項 衆議院議員選挙の施行の公示
第三項 参議院議員選任手続の実行の公示
第四項 批准書及び法律の定めるその他の外交文書の認証
第五項 外国の大使及び公使の接受
第六項 栄典の授与
第七項 儀式の実施
第八項 国家安全保障会議の招集及び開催
第九項 帝国議会の招集に係る勅令の発出
第十項 麾下の組織に対する緊急かつ重大な命令に係る勅令の発出。ただし最高司法院の判断を要する。
第十一項 地方公共団体の長の選任
第二三条 総統は、副総統を任命し、自身の職務を補佐させることができる。
第二四条 副総統は、総統に随行し、その職務を補佐し、在外中で緊急の必要がある場合には、総統の職務を臨時で代行することができる。
第三章 立法権
第二五条 国家の立法権は、総統に属する。
第二六条 総統は、帝国議会の議長を選任する。
第二七条 総統は、帝国議会を招集または解散する。
第四章 帝国議会
第二八条 帝国議会は、帝国の最高立法機関である。
第二九条 帝国議会は、衆議院、参議院及び大極院の三院でこれを構成する。
第三十条 衆議院は、国民を代表する選挙された代議員でこれを組織する。衆議院議員は、民意を正当に帝国議会の活動に反映しなければならない。
第三一条 参議院は、人事院により選ばれた、より専門的な知識を持つ議員でこれを組織する。参議院議員は、その知を正当に帝国議会の活動に反映しなければならない。
第三二条 大極院は、衆議院と参議院の議員で構成され、帝国議会としての最終の意思決定を行う。
第三三条 各議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
第三四条 各議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。
第三五条 帝国議会議員の任期は五年とする。ただし解散があった場合には、その期間満了前に終了する。
第三六条 選挙区、投票方法その他各議院の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第三七条 何人も、同時に衆参両院の議員たることはできない。
第三八条 緊急の場合で、衆議院議員の総選挙または参議院議員の選任手続きを執行できない場合、帝国議会議員の任期は、これを延長することができる。ただし、その条件及び期間は、次に示す通りである。
第一項 我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害、感染症の大規模な蔓延、その他これらに匹敵する緊急事態により、選挙の一体性が阻害される程の広範な地域において、衆議院議員選挙または参議院議員選任手続の適正な実施が六十日を超えて困難である場合。
第二項 衆議院議員選挙または参議院議員選任手続の適正な実施が可能になるまでの間において、当該議会の議決で定める期間。
第三項 この延長期間は、六ヶ月を超えることはできない。
第三九条 帝国議会の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
第四十条 帝国議会の議員は、法律の定める場合を除いては、議会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
第四一条 帝国議会の常会は、毎年一回これを開催する。
第四二条 議院が解散された時は、解散の日から四十日以内に衆議院議員選挙または参議院議員選任手続を行い、その後三十日以内に帝国議会は招集されなければならない。
第四三条 衆議院または参議院の何れかが解散された時は、もう一方の院は活動を続けることができるが、大極院は解散と同時に閉会となり、開会までの間、帝国議会は法案の議決を中止しなければならない。
第四四条 帝国議会は、その議員の資格に関する争訟を裁判する。ただし、これを以て議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を要する。
第四五条 帝国議会は、各議院の総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
第四六条 帝国議会の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数の時は、総統の決するところによる。
第四七条 帝国議会の会議は、公開とする。ただし、出席議員の三分の二以上の多数で決した時は、秘密会を開くことができる。
第四八条 帝国議会は、その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、かつ一般に頒布しなければならない。
第四九条 各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第五十条 帝国議会は、秘密会を除きその議事を全国に中継放送し、法律で定める要件を満たすところの帝国臣民にこれを周知し、法律の定める方法によって帝国臣民の意思を反映しなければならない。
第五一条 各議院は、各々その副議長以下の役員を選任する。
第五二条 各議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定めることができる。
第五三条 各議院は、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五四条 法律案は、この憲法に特別の定がある場合を除いては、大極院で可決した時これを法律とする。
第五五条 各議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
第五六条 内務卿その他の国務大臣は、議案について発言するため何時でも議院に出席することができる。
第五七条 内務卿その他の国務大臣は、答弁または説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
第五八条 帝国議会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、大極院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。弾劾に関する事項は法律でこれを定める。
第五章 司法権
第五九条 すべて司法権は、最高司法院及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
第六十条 司法権は、総統より独立する。
第六一条 執行機関は、終審として裁判を行うことはできない。
第六二条 すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
第六三条 最高司法院は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。検察官は、最高司法院の定める規則に従わなければならない。
第六四条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。
第六五条 裁判官の懲戒処分は、執行機関がこれを行うことはできない。
第六六条 最高司法院は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成する。
第六七条 最高司法院の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員の総選挙の際臣民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行われる衆議院議員の総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。その投票の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
第六八条 裁判官の審査に関する事項は、法律でこれを定める。
第六九条 最高司法院の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
第七十条 最高司法院の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。在任中、この報酬を減額することはできない。
第七一条 下級裁判所の裁判官は、最高司法院の指名した者の名簿によって、人事院でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する。
第七二条 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。在任中、この報酬を減額することはできない。
第七三条 憲法裁判所は、最高司法院の下に置かれ、憲法の解釈に関する見解の相違と疑義の解決を裁判により行い、一切の法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
第七四条 憲法裁判所は、最高司法院の長たる最高裁判長の指示及び法務大臣の同意の下で、国家機関による違憲行為の捜査、摘発、裁判による仮の判断を行い、最高司法院の認定の下、この判断を決定する。
第七五条 憲法裁判所は、最高裁判長がこれを指揮監督する。
第七六条 最高裁判長は、その憲法裁判所の長としての職務を、憲法裁判所副裁判長に代行させることができる。
第七七条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う。
第七八条 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、この憲法に特別の規定のあるものを除き、公開せず対審を行うことができる。
第七九条 政治犯罪、出版に関する犯罪またはこの憲法で保障する臣民の権利が問題となっている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
第六章 臣民の権利及び義務
第八十条 カルラディア帝国臣民たる要件は、法律でこれを定める。
第八一条 帝国臣民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の臣民に与えられる。
第八二条 この憲法が臣民に保障する自由及び権利は、臣民の不断の努力によって、これを保持されなければならない。また、臣民はこれを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。
第八三条 すべての臣民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する臣民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第八四条 すべての臣民は、天の下に平等であって、出自、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において差別されない。
第八五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、臣民固有の権利である。すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
第八六条 選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない。
第八七条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止または改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、その請願をしたことによるいかなる差別待遇も受けない。
第八八条 何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国または公共団体にその賠償を求めることができる。
第八九条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。また、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられてはならない。
第九十条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第九一条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。何人も、宗教的な行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
第九二条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、公の秩序と善良の風俗に反しない限り、これを保障する。
第九三条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
第九四条 学問の自由は、何人に対してもこれを保障する。
第九五条 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両者の本質的平等に立脚して制定されなければならない。
第九六条 すべての臣民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
第九七条 すべての臣民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
第九八条 すべての臣民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。この普通教育は、これを無償とする。
第九九条 すべての臣民は、勤労の権利を有し、その義務を負う。賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。勤労者の酷使は、これを厳禁する。
第百条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
第百一条 財産権は、これを侵してはならない。財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。
第百二条 何人も、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。
第百三条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。
第百四条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。
第百五条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、かつ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第百六条 何人も、理由を直ちに告げられ、かつ直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留または拘禁されない。
第百七条 何人も、正当な理由がなければ拘禁されず、要求があれば、その理由は直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第百八条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第百五条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
第百六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第百七条 すべての刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
第百八条 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ、また、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
第百九条 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第百十条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。強制、拷問若しくは脅迫による自白または不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
第百十一条 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされず、刑罰を科せられない。
第百十二条 何人も、実行の時に適法であった行為または既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。また、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われることはない。
第百十三条 何人も、抑留又は拘禁された後に無罪の判決を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
第七章 財政
第百十四条 国の財政を処理する権限は、帝国議会の議決に基いて、総統の最終の判断を以て、総統がこれを行使する。
第百十五条 新たに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする。
第百十六条 総統府は、毎会計年度の予算を作成し、帝国議会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
第百十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、総統の指示及び帝国議会の議決に基いて予備費を設け、総統の判断でこれを支出することができる。
第百十八条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、総統府は次の年度に、その検査報告とともに、これを帝国議会に提出しなければならない。帝国議会は、これを参考に次年度の予算案を審議しなければならない。
第百十九条 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
第百二十条 総統府は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回国の財政状況について報告しなければならない。
第八章 地方自治
第百二一条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
第百二二条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
第百二三条 地方公共団体の長は、総統が選任または罷免する。
第百二四条 地方公共団体の議会の議員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
第百二五条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
第百二六条 一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、帝国議会はこれを制定することができない。
第九章 憲法
第百二七条 この憲法の改正は、各議院の総議員の過半数の賛成を以て、帝国議会がこれを発議し、臣民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。
第百二八条 憲法改正について第百二七条の承認を経たときは、総統は、総統の名で、この憲法と一体を成すものとして直ちにこれを公布する。
第百二九条 この憲法が帝国臣民に保障する基本的人権は、過去幾多の試練を耐えこの帝国に帰順する道を選んだ帝国臣民の努力を讃え、その良心を信頼し、現在及び将来の臣民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第百三十条 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない。
第百三一条カルラディア帝国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第百三二条 総統またはその代行者及び国務大臣、帝国議会議員、裁判官、帝国軍人その他の公務員は、総統を信用しこれに追従する帝国臣民の信頼に懸けて、この憲法を尊重し擁護する義務及び責任を負う。
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