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第4話 栄光と技術の躍進

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 地球暦2190年(カルラン暦元年)カルラディア帝国が建国された。 新国家の建国直ぐに、ハーマリア星系で遭遇した敵海賊艦隊が襲来。 クルーク指揮の元、これを返り討ちにしたのであった____ ーーー惑星ヴィルディア 表彰式ーーー 海賊との戦闘が終結して3日、先の戦闘で特に優秀な活躍をした士官数名に対し、勲章の授与が行われる事が決まった。 式典は総統府臨時庁舎にて執り行われる。政府幹部・軍幹部出席の元、宣伝省主導で国民にも同時中継が成される事となった____ クルーク「諸君、先日の戦闘、ご苦労であった。此度の戦闘では、諸君の活躍により敵を撃退する事に成功した。それに加えて敵戦闘艦の拿捕、多数の捕虜を取ることが出来た。お陰で奴らが何者であるか、それを調べられる。皆の活躍に心から礼を述べたい。ありがとう。そして、諸君等の中でも特段の活躍をした者達に、"特別戦功勲章"を授与したく思う。」 トイアー「これより、総統閣下から選ばれた勲章授与者の名前を呼ばせて頂きます。呼ばれた方より順に、壇上へお上がり下さい。」 トイアー「宙軍参謀本部長、コドルヴォ・ナタ・シナノ。航宙艦隊司令、ベルンシュタイン=フクス=セト。艦隊旗艦ロドルフィア艦長、ヨルゼナーフ・ゲルベリウス。デストリア級デストロイ艦長、シュッツ・ベルンハルト。以上の4名は、壇上へ」 名前を呼ばれた者達がシナノ参謀長を先頭に順々に壇上へ上がり、クルークの前へと並び、先頭から順に勲章を授与して行く。 クルーク「コドルヴォ・ナタ・シナノ宙軍参謀長、貴官が立案した作戦は極めて効果的な物で有った。あの作戦が無ければ我が方が負けていた可能性もある。これからも、我が帝国の為に尽くして欲しい。受賞おめでとう。」 シナノ「ありがとうございます、総統閣下。一層奮起し、帝国の為に尽くします!総統万歳!」 クルーク「ベルンシュタイン=フクス=セト艦隊司令。奇襲艦隊への的確なタイミングの指揮、素晴らしいものだった。あの奇襲攻撃が成功し無ければあそこまでの戦果は獲られなかっただろう。これからも我が軍をよろしく頼む。受賞おめでとう。」 セト「ありがとうございます。今後も一層励みます。総統万歳!」 クルーク「ヨルゼナーフ・ゲルベリウス大佐。貴官の的確な指揮によって、艦隊は敵を一網打尽にする事が出来た。心より感謝を捧げたい。受賞おめでとう。...

第3話 芽吹き、新たな試練

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ヴィルディアへの入植が始まったその日から、ロドルフ以下のセカンド・オーダー幹部達は、新国家建国の為奔走していた__ 文官達は憲法の制作を開始し、マリウス・シュトラス=トイアー以下政治に精通した幹部達は暫定行政府として設置された"臨時統治機構行政局"にて新国家建国までの暫定的な内政を行っていた。 そして、シュティーア・シャーフ以下の技術陣は回収したゲシュ=タム・コアの安全な解析の為に、カラーディ星系第9番惑星"ハーデッシュベルト"に移送し解析作業に入っていた__ ーーー2/22ーーー 地球暦2190年2月22日、この日、臨時統治機構行政局施設内で、ロドルフ・クルークが新国家"カルラディア帝国"の建国宣言文書に調印した。 トイアー「閣下、いえ総統。建国式典は予定通り3月1日に開催する手筈になっております。」 クルーク「そうか。臣民への周知はどうなっている?」 シャーフ「現在進めている状態であります。本日総統が建国宣言文書へ調印なされたことも臣民へ知らせる予定です。」 トイアー「ただ…、憲法の制作が少し手間取っておりまして。3月1日迄には完成する見込みなのですが、ギリギリになってしまうとのことです。」 クルーク「構わないよ。間に合うのであれば問題は無いさ。他に何か問題は起きているか?」 トイアー「いえ、現状他には聞いていません。」 クルーク「宜しい。マリウス、憲法制作に取り掛かっている文官達へ、決して無理はせぬようにと伝えてくれ」 トイアー「はっ!!」 ロドルフが建国宣言文書へ調印したこと、そして国名が"カルラディア帝国"となった事は、その日の内に全臣民へ伝えられた。 それに併せて、以前より告知されていた建国式典の日程について改めて告知されたのだった。 ーーー建国前夜ーーー 建国式典が明日へと迫ったその日の深夜、クルークは中々寝付けず総統用臨時邸のバルコニーで夜風に当たっていた クルーク(ガミラスを離れて5年……。これまで"殿下が生きておられれば"と何度も考えてきたが……、これからはそうも考えていられなくなる…。明日、臣民へ宣言をしてしまったら戻ることは…、いや、宣言文書に調印した時点でもう戻ることは叶わないのだ。私に出来ることは、覚悟を決めて前へ進むことだけだ。要らぬ不安...

第2話 始まりの光 カラーディ

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元ガミラス、セカンド・オーダーのクルーク 一行はポルトメルシアで遭遇した海賊と思われる敵からの襲撃に遭う。 苦楽を共にした艦艇を何隻か失いながら緊急ワープを敢行。事なきを得たのであった…… ーーーワープアウトーーー 艦隊旗艦"ロドルフィア"艦橋 航海長「ワープ終了、艦体に損傷認めず」 艦長「レーダー・スキャナー直ちにチェック! 空間座標照合!現在位置の特定急げ!」 乗組員「レーダー・スキャナー、共に反応無し、敵影を認めず。」 乗組員「空間座標照合完了。現在位置を確認、カラーディ星系です!」 クルーク「カラーディ……太古から存在する星系…… ガミラスと関係があると噂されていた星系だな」 副長「閣下、第4惑星ヴィルディアのスペクトル及び大気・表面温度等の条件がガミラスに類似しています。これならば、我らの移住先になり得るかもしれません。」 クルーク「そうか。副長、直ちに調査隊を編成。この星系の詳細な情報を調べてきてもらいたい。」 副長「はっ!調査隊を編成、星系を調査します!!」 クルーク「艦長、艦隊は一度この宙域にて待機する。ハーマリア星系を離れたとはいえ、何時またあの敵が襲ってくるかわからない。全艦に警戒を厳とする様に伝えよ。」 艦長「はっ!!」 クルークの指示で、即座に調査隊が編成され、カラーディ星系の調査が開始された。第4惑星ヴィルディアはガミラスと似た条件を持つことがわかり特に念入りな調査が成された。 ーーー3日後ーーー 副長「閣下、調査が終了致しました。」 クルーク「そうか、結果はどうか?」 副長「はっ!惑星ヴィルディアは、予測通り我らが居住可能な惑星でした。」 クルーク「そうだったか…。ご苦労だった、副長。調査隊にも労いの言葉を掛けておいて欲しい。」 副長「はっ!皆喜びます!」 副長「それと、併せての報告なのですが、ヴィルディアには2つの衛星が在り、内一つにシェヘラザードらしき艦影と何かしらの基地と思われる建造物を確認しました。」 クルーク「シェヘラザードとは、イスカンダルの"あの"シェヘラザードか?」 副長「はい、全くの同型と思われます。月に関する情報は、先にお伝えした方がいいかと思いまして、まだ調査はしておりません。」 クルーク「そうか、改めてご苦労だった。下って構わない」 副長「はっ!失礼致します!」 副長が、クル...

第1.5話 蒼き杜に芽吹くもの

子どもの頃、いつもおとぎ話に出てきた星がある。 はるか昔に輝いた星がいて、その星の祝福が航海に出る人の道標になった。故郷の星に近くて、その傍で輝いているその星を、人々は航路の神“ハーマリア”と呼んだ。 ハーマリアは、いつも航路を見守っていた。だけども、人々は故郷の星へ帰る時の道標にしか思っていなかった。 いつしか故郷の星に嫉妬したハーマリアは、有り難みを理解させようとして巨大な輝きと霧の海で故郷の星への航路を覆ってしまったのだ。 それで、人々は故郷に帰れなくなってしまったのだと…。 今、私の目の前にあるのはそのハーマリア星。そして、真下にあるのはハーマリアの惑星“ポルトメルシア”。最近になって発見された惑星は、当初予測されていたより安定した温度の星だった。 観測によると、ハーマリアは原始星からTタウリ型星になったばかり。つまるところ、原始星末期に起きた出来事が神話として記録されたのだろう。つい、歴史学肌の私はそう帰結させてしまった。 だけども、現実の冒険というものは常に私の予想を超えてくる。それはセカンドオーダー成立以降の私の目の前で起きたことを総括しての帰結だ。 滅びに瀕した民族を憂い閣下に率いられた我々の一行は、さらに険しい道に踏み入れていた。そして、やっと見つけた光明が神話に出てきたハーマリア星だった。 私の経歴は社会科教員から官僚になり、そしてまさかの冒険家になった。ハーマリア星系第3惑星をポルトメルシアと名付けた閣下に、不確定だが先見の名を感じてしまった。星系の主はまだ原始星から毛の生えた程度で、もっと隕石とか散乱してるはずなのだ。 だけども海があり、人が住めるだけの大気がある。 これがどれだけの恵みか、惑星科学の基礎が絡む歴史科まで教えてきた者としては、ここで子どもたちに授業を開きたい程だった。 だけど、調査隊としては子どもたちを生かせられない。先生が安全確認をしなければならない。これ以上仲間に空腹や渇きで苦しんでほしくない。 調査隊に志願した私と、小さな小鳥の艦長は一隻のハイ級を率いポルトメルシアに降りた。 大気にぶつかった時に起きる熱と輝き、いつも降下する時は肝を冷やす。されどそれが終わった時の、一種の重圧から解放された感覚は自分がまだ無事であることを証明している。 「艦隊各部、異常はないですか?」 「機関室、正常です」 「第一から第七ブロック、異常...