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第11話 驕れる者も久しからず

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 本土侵攻を掛けて来たフルク艦隊に対し、カルラディア宇宙艦隊は善戦。 途中参戦したマズロアの手助けもあり無事にカラーディを守りきったのであった__ ーーーロドルフィア 艦橋ーー クルーク「どうにか敵殲滅も完了したな。一先ずは良しとしよう」 副長「閣下!本国より通信です!」 クルーク「パネルに回せ」 パネルに出てきたのは、心配からか顔中冷や汗まみれになった内務卿の姿だった トイアー『閣下!』 クルーク「心配させたようだな、トイアー。酷い顔だぞ?」 トイアー『私の事はどうでも良いです。ご無事で何よりでした。……所で、戦闘をモニタ中にマズロアの物と思われる識別が出現したのですが…』 クルーク「あぁ、マズロアに相違無い。……まぁ、彼らも少なからずフルクに思う所があったのであろうな」 トイアー『如何なされますか?……こう言っては何ですが、彼らは現在領海侵犯中です。』 クルーク「そうだな。だが、我らに協力しフルク殲滅を手伝ってくれた。その恩義を欠く様な事はしたくはない。」 トイアー『それでは、取り敢えずこの場では感謝の意を伝えつつ、現在領海侵犯中である旨を伝えられては?』 クルーク「それもそうだな。…一度通信を切る、状況終了次第本国へ帰投する」 トイアー『はっ!お待ちしております。』 マズロア艦長「カルラディアから発光信号?読み上げろ」 マズロア通信士「はっ!"先ノ戦闘二於ケル助力二感謝スル。シカシナガラ、貴艦隊ハ現在我ガ国ノ領海ヲ侵犯シテイルモノデアリ、立退ヲ要求スル。"です」 マズロア艦長「ふむ……まぁ言っている事は尤もだ。本艦から返礼し帰還する」 「「「はっ!」」」 ロドルフィアの発光信号に対するマズロア側の返礼の後、マズロア艦隊は即座にジャンプ。 戦闘宙域から離脱していった__ ーーー総統府ーーー 戦闘終了から1日、クルーク等は戦闘後処理に追われていた クルーク「戦闘の損害報告を頼む」 ゲルベリウス・デルニラッツェ「はっ!」 ゲルベリウス「第一艦隊の損害は3割、内轟沈が4割となっており、死者負傷者は現在集計中ながらも既に200は越えております。」 デルニラッツェ「第二艦隊の損害は4割程、轟沈は内2割程ではありますが、損傷が酷い艦も多く、負傷者は重軽傷者含め500名弱、死者は200名近く出ており人員の補充も必要かと…」 クルーク「想像よりも被害が大きい...

-Side Story- イルシアとマリュリア 中編①「変化」

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夜。 マリュリア「おやすみクラーラ」 イルシア「おやすみなさい、お姉ちゃん」 マリュリアはいつも通り椅子に座り仕事を片付けていた。少ししてイルシアが眠った事を確認すると、隣の会議室へ向かった。念の為、拳銃を持つ。 会議室と部屋の間の扉をそっと開ける。 トイアー「マリュリア」 マリュリアは部屋に入って、そっと扉を閉めた。 マリュリア「内務卿、お待たせ致しました」 トイアー「なあマリュリア…、久しぶりにタメ口で喋らないか…?」 マリュリア「そうですね…いいでs、、いいよ」 トイアー「へへっ。で、話って何だい?」 マリュリア「話すと言うより相談が2つくらいある…かな。」 トイアー「相談事か、マリュリアにしては珍しいな。どうした?」 マリュリア「まず一つ目は、クラーラと仲良くしてあげてほしいんです」 トイアー「ん~、僕もそうしたいんだが、小さい子はよくわからないんだよな…」 マリュリア「とりあえずは優しく接して、しっかり話を聞いてあげて、って感じで」 トイアー「そう言われてもなぁ、小さい子と触れ合う実感がないから難しい…」 マリュリア「出会った時の私に接したようにすれば大丈夫ですよ」 トイアー「あの頃か…懐かしいな。」 マリュリア「はい。知らない星でずっと一人だった私を保護してくれて、しっかり面倒をみてくれたのは内務卿ですから。このご恩は忘れませんよ」 トイアー「もう6年も過ぎたのか…てか全然タメ口じゃないじゃん!」 マリュリア「む、むぅ。目上の方にタメ口で話すの、慣れてないんですもんっ」 トイアー「ふふっ、まぁいいよ笑。徐々に慣れていったらいいさ。んで、二つ目は?」 マリュリア「はい、エルゼの事で」 トイアー「エルゼか。少し前から問題行動があったが、何かあったか?」 マリュリア「はい…クラーラが怖がっていますし、それに何か探りを入れてるように見えるんです」 トイアー「ふむ、勘付かれたのだろうか…。じゃあとりあえず、エルゼの仕事を増やしてマリュリア達から遠ざけよう。一応マリュリアも様子は見ておいてくれ」 マリュリア「ありがとうございます、内務卿」 トイアーが時計を見る。 トイアー「おっと、もうこんな時間だ。そろそろ休みな、明日も朝から仕事だぞ」 マリュリア「ではお先に休ませていただきます。お疲れ様でした」 トイアー「うむ、ゆっくり休むと良い。おやすみ、マリュリア」 マリュリ...

第10話 剣を抜く時

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 カルラディア帝国は、3年と云う時間をフルクファーラントによって蹂躙され尽くした。 堪忍袋がはち切れたクルークは、兼ねてより予定していたフルクファーラントとの全面戦争へと突入する。 初戦は新型戦艦アーヘンドラッヘ級の活躍もあり快勝を収めたが、苦行は此処から始まるのであった__ 「なにぃ!?反攻作戦だぁ?」 御前会議の場に、突如として宰相ティーラーの怒号が飛ぶ。 皇王「何事だ?ティーラー」 ティーラー「と、突然失礼致しました。何やら、あのカルラディアが派遣された駐留艦隊に反旗を翻し、反攻作戦に打って出たと……」 皇王「ほう?何と豪胆な連中だ。面白い」 ティーラー「ハ、ハハハハハ。左様に、御座いますね…」 右大将「宰相殿は良く笑って居られますな。この状況、貴殿の監督不行き届き。全て責任は貴方の物では無いのですかな?」 大蔵卿「……此処までの失態、どう有っても死罪は免れぬぞ、宰相!!」 刑部卿「此度の事は"国家反逆罪"を適用できますね。まぁ、それ以外に余罪は数百上がっておりますが…」 皇王「さぁ、どうするティーラーよ。流石にこの失態は如何に寛大な余と言えど見過ごせぬ物。………余の言いたいことは、判るな」 ティーラー「は、はい!必ずやこの失態、彼の国の併合をもって挽回致しましょう!!」 衛士「御前会議中失礼致します。カンツ司令が戻られ、陛下との面会を」 御前会議室へと報告に来た近衛兵が言葉を言い終わる前に、顔面蒼白となり、顔中脂汗塗れとなったカンツが会議室に侵入した カンツ「皇王陛下!此度の失態、誠に」 謝罪を述べようとしたカンツの声を遮る様に"バン!"という銃声が鳴り響くと、扉より外にフルクファーラント人特有の青黒い血が散り、撃たれた当人であるカンツは、何が起こったのかも判らぬまま仰け反りながらその場に倒れ伏した。 ティーラー「…そこの 塵 ( ごみ ) は"掃除"しておけ。陛下、後は万事このティーラーにお任せを……」 ーーーヴィルディアーーー カルラン暦9年10月18日。 カルラディア帝国では、駐留艦隊討伐を記念する式典が行われていた。 クルーク「臣民諸君!二年前、我々は海賊の襲撃を受け、止むを得ずフルクファーラント大皇国の支援を受けることとなった。彼らの目に余る横暴を間近で見てきた諸君らにとって、この日は待ち...

-Side Story- イルシアとマリュリア 前編「出会い」

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地球暦2195年3月。 帝国外相ジークハントが会談から帰還した。先の襲撃により荒れたままの帝都クルクラシア― かつては帝都中で一際白く輝いていた総統官邸も、今や煤に塗れて黒く淀んでいた__ ―――ヴィルディア 総統官邸――― ジークハント「…以上が今回の交渉の顛末と結果になります」 クルーク「戦力制限か…、覚悟していたとはいえ、いざという時の事を考えると不安だな」 ジークハント「彼の国には『我が国の艦隊整備能力は本星のみ。他惑星は未だ開拓中である』と伝えています。あの宰相であれば容易に信じるかと」 クルーク「なるほど…流石マリウスが信頼を寄せるだけはあるな。」 ジークハント「ありがとうございます。技術開発の主力はハーデッシュベルトに移されるのが宜しいかと。あの星であればガスによるカモフラージュも可能ですから」 クルーク「そうだな。彼らの支援が来る前に、一度閣僚会議で意見を聞いてみよう。」 ジークハント「…それと総統。この娘についてなのですが……」 ジークハントの側で、彼が連れてきた娘が控えていた。 クルーク「その娘は…?」 ジークハント「はい。ショーゲツ島を発つ際に港で、"マズロアの巫女"なる者から、『訳は聞かずに引き取ってほしい』と言われまして」 クルーク「ふむ…、それでちゃっかり引き取ってきたわけだ」 ジークハント「ええ。巫女の話によると、この娘は高貴な出でありながらも国に居場所がなく、加えて宰相含めフルクの民に居場所を知られてはならないということなのです」 クルーク「それでその娘を連れてきて、我が帝国で匿おうと言う事でよいのか?」 ジークハント「左様です、閣下。この事を知る者はなるべく少なく留めておいた方が良いかと思っております」 クルーク「そうだな。新たな火種にもなりかねない…。ひとまずマリウスを呼ぼう」 クルークは秘書に内務卿を呼ぶよう指示した。 数分して内務卿トイアーが到着した。 執務室のドアが開く。 トイアー「お呼びでしょうか総統閣下、ジークハント殿。…おや、その子は?」 クルーク「マリウスよく来た、早速だか相談があってな」 トイアー「そこにいる娘の事でしょうか?」 クルーク「そうだ…」 クルークはトイアーに事情を説明した。 トイアー「ふむ、、、。お嬢ちゃん、僕はマリウス・シュトラス=トイアー。この国の内務卿だ。君の名前は?年はいく...